近畿ブロック防犯ボランティアフォーラム 記録

2020年11月7日

奈良春日野国際フォーラム 別館会議室5・6

(記録:三上)

開会あいさつ(近畿管区警察局)

十日ほど前の朝日新聞夕刊に載っていた。

新型コロナウイルスが地域防犯ボランティアにも影響している。リモートは担っている高齢者には不慣れで戸惑いもある。防犯ボランティアが活動の姿を見せることは、犯罪に関わって、防犯意識が高いと意識される、また、地域の人々(特に高齢者)の生きがいともなる。

コロナに負けずに持続的な活動にお世話になりたい。

<団体発表>

①亀岡防犯推進委員連絡協議会篠支部(京都府・亀岡市)

「地域と連携する息の長い防犯活動」

(発表:隅田盛和支部長)

皆様改めましてこんにちは。亀岡防犯推進連絡協議会篠支部ということで、まずトップバッター発表させていただきます。大変立派な建物ですけれども、何か柱が邪魔かなという感じはしております。今日は走りながら防犯をされてとるグループが発表されておりますので、大変楽しみにしておりますけど、会場内は走らない(柱無い)方がいいですね。(笑)。こういう観客が点在している会場でしゃべらせていただくのは非常に珍しいといいますか、やりにくいなという感じはいたしております。

本日私たちの活動を中心に発表させていただきます。まず最初この写真なんですけど、イベントの時の写真です。「明智かめまる」と言いまして、我が亀岡市のマスコットキャラクターです。わりと人気があるみたいです。今、京都サンガのホームスタジアムもできまして、活気がある所だと思っております。まず、亀岡市で私たちが活動しているエリアの紹介をさせていただきたいと思います。亀岡市の篠町と申しまして、ここが京都市です。誰しも世界中の人が知っている大都市の西隣りにあります亀岡市でございます。その中で篠町は、京都市の境を越えたところにございます。これが皆さんご存じのトロッコ電車です。その出発点が昔、馬堀駅やったんですけれども、昔は私が京都に学校通ってる頃は、ずっとこの線で通ってたんですけども、今はトンネルができまして、新しい線、馬堀駅がちょっと移動しまして、トロッコの亀岡駅というのがございます。ここから嵯峨までよく修学旅行とかで使われていて、インバウンドも今は外国人の方は全然来られてませんけども、中国人なんかもたくさん来るような所でした。この辺をずっと京都縦貫道も走っておりまして、篠インターがありまして、そこも篠町の中のエリアになっております。亀岡市全体が今、8万6千人で、最盛期は9万6千人ほどいたんですけども、ちょっとずつ減っております。その中でも一番京都市に近いところ、住宅開発が進んでおりまして、今でも住宅開発がまだ進んでおります。その人口が大体1万9千人で、(亀岡市)全体の二十数%が篠町に住んでおります。面積は亀岡市全体が225平方キロメートルで、この間特別区の投票がありました大阪市とほぼ同じ面積です。大変地域は広いんですけれども、その内の約1割強がこの篠町のエリアになっております。こういう所でございます。

 篠町にゆかりのある歴史上の人物として有名なのが足利尊氏です。この「尊」というのは亀岡に六波羅探題を攻めに京都に行った時が1333年で、この時はまだ「高」という字です。高い低いという「高」の字を使っておりました。その後六波羅探題を滅ぼしたという栄誉をもって、天皇の方からこの尊いという「尊」をいただいたということもありまして、大河ドラマの「太平記」とかに取り上げられております。それから今「麒麟が来る」の主人公の明智光秀も、同じように篠町を通って本能寺に攻め入ったということでございます。
それから「酒呑童子」という鬼伝説がありまして、ちょうど一条天皇の頃、京都で大変鬼が暴れておる。当時大変武勇がすごかった源頼光に鬼退治を命じました。鬼を退治した後、その首を京都の方に持って帰ってくる時に、老ノ坂峠という峠という峠が、ちょうど京都市と亀岡市の境にあるんですけれども。そこに差し掛かると鬼の首がすごく重たくなって、家来の相撲取りよりもでかいといわれております坂田公時(さかたのきんとき)が持っても持てないということで、その場所に埋めて供養したのが、首塚という所でございます。今もずっと4月に祭典をされておりますので、良かったら観光に来ていただきたいと思います。ただ京都市側からは車では来られなくて、亀岡市側からしか入れないというような所でございます。それから先ほど言いましたように、トロッコ列車と保津川下り。保津川下りも結構全国的に有名でございまして、亀岡から嵐山まで行っております。それから、食べ物としては丹波松茸が昔から有名です。それから丹波栗、最近有名になりました「鮎もどき」という天然記念物がおります。というようなことでございまして、こういう町でございます。
 

それからいよいよ私たちの支部の紹介に移ってまいります。
構成員は今24名です。平均年齢が64歳。43歳が一番若いんですけど、この方は市の職員でございます。職業は今言ったように市役所の職員からさまざま、市議会議員も3名ほどこの中に入っております。一番の売りといたしましては、自治会と連携をさせていただいております。地元密着型ということで、物資は自治会におんぶにだっこみたいな形で、活動させていただいております。さまざまな地域活動を防犯の視点で関わるということで、防犯だけでなく、いろんなイベントに対しても、最初の表紙の写真もそうなんですけれども、さまざまなイベントで地域活動にかかわりながら、地域とともに歩む支部というふうにさせていただいております。

一番のメインの防犯パトロール活動は「青パト」と言いまして、青色回転灯をつけた車でグルグル地域を回りながら啓発活動するわけでございますけども、これは今コロナの関係で(活動)形態を変えております。従来は毎週土曜日の午後9時から10時までの1時間、地区を7つのエリアに分けて、グルグルと回りながら、1時間スピーカーで啓発の文句を流しながらやっております。後のフォーラム(パネルディスカッション)の方で先生からお話があろうかと思いますので、そこでまたお話させていただきますけども、今までのような形ではなかなか難しい。自治会の車がこのような軽のワゴンなんです。この中に3人なり4人なり詰め込んで従来は走っていたわけですけれども、これは3密になってしまいまして、この御時世よくないのではないかと。

しかしパトロールは、防犯パトロールでございますので、青パトは何らかの形でしなければならないということで、工夫を凝らしてやっております。この後またフォーラムの方で、どのようなやり方でやるかをお話したいと思います。
それから、これは小学校が私達のエリアの中に2つございますが、そのうちの1つの小学校で毎年やっております。こちらは敬老会です。これも地元の行事ということで、これは京都新聞に取り上げられたものです。もちろん敬老会ですので、次々と新しい犯罪でお年寄りをだます手口が発生しておりますので、何とかそれを防ぎたいというので、毎年毎年、新しいシナリオを考えながら、独自のシナリオで寸劇をやっております。亀岡警察署からいろんな情報をいただきまして、シナリオを書いてやっております。

それから、今申しましたように小学校が2つあります。皆さん「いかのおすし」というのを聞いたことがあるかと思います。ついて行かないとか詳しいことはまたあろうかと思うんですけれども。最初我々委員だけが防犯寸劇をやっていて、もちろんそれでもウケたんですけれども、できるだけ多くの方を巻き込んでやりたいということで、(小学校の)先生も参加していただくようにいたしました。先生に呼びかけたら、先生も忙しい中で練習にも来ていただきました。最初に寸劇をやって、最後にいかのダンスを踊って、みたいな話にしております。これがちょうど踊っている風景ですね。これは私が司会をしておる風景でございます。

それから、先ほど申しましたように敬老会です。敬老会は、主に特殊詐欺とオレオレ詐欺を取り上げてやっております。なかなか役者もたくさんおりまして、こういった形ですね。普段は防犯活動しているんですけども、この時だけは犯人になりまして、果敢に劇をやっております。先ほど言いましたように、防犯寸劇のシナリオは、亀岡警察署が所轄でございますけれども、警察署から最新の犯罪手口、あるいは小学校の先生や校長先生あたりからご希望を聞きながら、全くオリジナルの寸劇をさせていただいております。

これは子供見守り活動です。防犯目的ももちろんですけれども、交通安全も兼ねて。子供たちの見守り活動は、エリアの2つの小学校両方ともで、登校だけじゃなくて下校も含めて、もちろん委員全員が出れるわけではありません。先ほども言ったようにさまざまな職業の方がおられますので、やはりお勤めの方は無理ということもありますし、出られる方だけでもいいので出てくださいということで、現在6名ほどの委員さんが、こちらの方にPTAとか青少協(青少年健全育成協議会)とかと一緒にさせていただいております。

継続したボランティア活動をしてもらうためにやっていることなんですが、(課題は)まず1人あたりの負担です。どうしてもボランティアとなると、負担に思われる方が非常に多い。実際負担があることは仕方がないんですが、それでも1人当たりの負担をできるだけ減らそうということをしています。1班3名という構成にさせていただいて、8班、3×8=24名ということで、順番に毎週土曜日ですから、8週間で一回りということになっております。8週間ですから2カ月ですね。2カ月で一回り。だから2カ月に一ぺんパトロールに出ればいいということでさせていただいて、できるだけ負担を軽減しております。

それから、金銭面の負担はさっきも言ったように、自治会におんぶにだっこみたいなところがありまして、青パトに使用する車は自治会の公用車。ここに「篠町自治会」というふうにシールが貼ってあるんです。そこでほとんど(私達の)防犯でしか使わないんですけど、スピーカーを付けてもらって、CDで録音した文句を流します。青色回転灯はその時だけマグネット式でひっつけるというようなことでさせていただいております。自治会の公用車を使う分、車の運行に関する経費、維持費やガソリン代は全て自治会で持っていただいておりますので、この辺は大変に助かっております。それから、青パト従事者の資格が要るんですけども、これを持ってる方は誰でも(従事)できるということにしてあります。

それから「やり甲斐を持ってもらう」。これが1つ非常に大切なことかなと思っております。ボランティアは大変だ、大変だと言われますし、もちろん大変なんですけれども。やはり、その大変を上回るような地域からの感謝を受けていただくと、ボランティアも続くんじゃないかなと思っております。そのためには、やはりスキルの向上、そのために研修会の実施、支部独自の研修会もやっています。それから亀岡防犯推進連絡協議会全体で主催される研修会にも参加させていただいたり、防犯協会や亀岡署の段取りである講習会にも、できるだけ参加するようにしております。こういう風景ですね。

それから、これは「篠町自治会だより」と言いまして、自治会が年3回発行している広報誌です。この編集は、手前味噌ながら私が全部しております。こういったところに編集長ということで、役得でもないんですけれども、防犯の総会であったり名簿であったりこういうのを載せさせていただいています。広い人口の多い町でございますけれども、こういう方が防犯推進としておられるんだなということの広報をいたしております。

それから、同時にホームページ。こちらの製作も私がしております。こちらの方も篠町自治会のホームページの中に、その活動を随時入れ込んでおりますので、こういったことを通じて、防犯推進員というなかなか昼間目立たないですよね、夜の活動ですから。だからそういう意味では、夜暗い中パトロールしていただいてるのが誰かというのを、できるだけ広報させていただいて、住民に感謝をしていただけるような活動にまい進をしております。

それから、課外事業といたしまして、ボランティア活動だけでは大変なので、その他にもレクリエーションなんかを取り入れています。これは東福寺ですね。大変紅葉で有名で、もうすぐ今年も真っ赤な紅葉の海になるような東福寺です。そこに行った時の写真でございます。去年などは、昨日からライトアップをされている永観堂にもお邪魔したりして、そういったレクリエーションを通じて、委員さんの中の(お互いを)知り合った喜びというものを知ってもらえるようにしております。
その他、こういったイベント、消費者大学に出演したり、亀岡の明智(光秀)パレードに出たり、それから徘徊老人の捜索訓練も含めてやっております。
以上、ご静聴ありがとうございます。活動紹介でございました。ありがとうございました。

②成和校区自治連合会(大阪府・東大阪市)

「コロナに負けない!校区一丸となった青パト活動」

○青パトを始めたが当時は個人の自家用車を使っていたが、青パト専用車を購入するために東大阪市や日本財団にお世話になった。今でも街頭で「青パトワンコイン募金」を続けている。

○東大阪市は全国屈指の青パト実施の盛んなまち。イベントでは、各地の青パトカーが勢ぞろいして圧巻(今年はコロナで中止に)

○26の団体から構成されている。活動日数は年間200日。校区の団体が一つになって青パト活動に取り組んでいる。各団体で見ると2か月に一度の活動になるので、負担がかからない。

○走る110番トライネット事業(ドライブレコーダーを活用したとりくみ)

○大阪府警安まちメールの活用。犯罪発生の場所や時間、種別、内容などのデータをもとにパトロールの計画を行う。データをマップにして犯罪状況を検証する。

○データをみると、子どもの被害はやはり、平日の登下校時間帯。高齢者の詐欺などは平日の昼間・・・という風に、犯罪の発生の特徴をつかんでパトロールしている。

○課題としては、中心メンバーが高齢化している。PTAなどは世代継承できるのだが・・・。

○定例会は月1回。

○団体相互の行事参加をして交流を深めている。あらゆる機会を通じて情報交流している。

○安まちメールで情報があれば分析して、各団体に連絡。地域で事案が発生すると1時間以内に青パトが発信できるような対応に心がけている。

○ポイント・・・団体に任せること。細かいルールを決めないこと。計画的に活動すること。これらにより無理なく息の長い活動になっている。

○新型コロナウイルスの緊急事態宣言により、自宅待機を余儀なくされた。活動スタイルも変えざるを得なくなった。青パト隊員に高齢者も多いので中止せざるを得なかった。

○学校が再開され、自粛規制が解けない中であったが、自主的に青パトを再開した。

○青パト感染予防対策は・・・ハンドル等を消毒、マスク着用、窓を開けての走行。コロナに負けず全員体制で、安全見守り活動を続けていく。

○「成和はひとつ 和をもって成す」

③ひょうごふれあいランニングパトロール(兵庫県)

「趣味のランニングが防犯につながる」

○ふれあいパトロール「ふれパト」とは?

着る→走る→あいさつ・声かけ→立ち寄る(公園や交番)→伝える(活動報告の発信)

1キロ8分ペースで5キロを走る。隊列は2列。4名以上いないと成立しない。

○3年目で登録者503名。(2018年254人、2019年322人)女性が3分の1。

○累計761回実施。

○コロナ禍の取り組み

・マスクの着用 ・隊列の管理 ・早めの合図

○パトロール計画の立案・・・公式HP、Facebookで開催日と場所の告知。場所ごとに責任者を決めて、ルートの検討。

○パトロールの実施・・・スタート集合地点は駅や公園や交番。管轄警察署からスタート場所に来ていただく。そこで地域の生の情報を聞く。店舗や公園などを通るコースで走る。ゴール後は反省会を行い次回に生かす。その後活動内容をまとめて報告(発信)。

○エリアごとに取り組みを進める

・(例)西宮尼崎エリア・・・公園でのごみ拾い、遊具の点検。平日の午後の時間帯に小中学校の下校時刻に合わせてパトロールを実施。

・ふれパトは自分の地域だけでなく、都合がつけば別のエリアの取り組みにも参加できる。メンバーどうしが交流できる。防犯活動だけでなく、マラソン大会情報や地域のグルメなども楽しく交流している。暑いときには地域で評判のかき氷屋さんなどにも立ち寄って楽しんでいる。

○兵庫県全域でパトロールしているので、いろんなつながりが生まれる。

・地域活動への参画(まちづくり協議会・青パト車でのパト・ふれパト青パト合同パト・日本財団青パト配備事業など)

・人と人とのつながり(世代や職種を超えた関係づくり、協議会やイベントへの参加、結婚式やふれパト旅行への参加、ふれパト中心の生活環境が生まれる)

○将来像・めざすこと

・自分たちの地域は自分たちで守る

・兵庫県内全域を制覇

・全国46都道府県へ広める兵庫県がモデルとなる

○ふれパトは・・・県外の人も誰でも参加できる!そこが魅力!

④地域安全推進委員西の京支部(奈良県)

「安全・安心な地域を目指して」

○近鉄西の京駅の西側を活動エリアとしている。

○7団体による「地縁団体会議」で情報・活動交流

・地域安全推進委員西の京支部

・六条校区自治連合会など

○メンバーは現在22人(その多くが他の団体でのボランティア活動を兼務している)

○警察からの各種協力要請、犯罪防止啓発活動に加え、独自の活動を行うようになった

○定例委員会を月1回開催。奈良署の防犯アドバイザーが毎回出席

○独自の活動とは・・・

・年金支給日の啓発活動・・・ATM4カ所で振り込め詐欺防止の啓発チラシを配布して注意喚起

※被害者の約9割が詐欺犯罪のことを知っているのにひっかかっている

・防犯パトロール・・・マグネットシートを車に貼り、あるいは単車は自転車の前につけ活動。

・ながら見守り活動・・・子どもたちの下校時に何かをしながらでいいので見守ってもらう。「ながら声かけ」「ながらパトロール」「ながら見守り」など。よくわかるように「ながら見守り活動中」のワッペンを作ってつけてもらう。現在参加者116名、4団体。年間2704回実施の実績。

・通学路危険個所:安全チラシの配布・・・交番・スクールガード・交通安全指導員とともに六条小学校周辺の通学危険個所5カ所で5日にわたり、ドライバーに対する啓発チラシを配布。西の京高校生も参加を申し出てくれて、チラシのデザインや、中に入れる四つ葉のクローバーをあつめるなどの心温まる活動をしてくれた。

・ゾーン30の設定と啓発活動・・・ゾーンに間隔をあけてプラカードもって立ってスピード出さないように協力依頼。

・年末特別警戒・啓発チラシ配布・・・年末に地域内の商店街を回る。

・地域の犯罪情報を全戸回覧・全戸配布・・・例:悪質廃品回収業者にご注意! 特殊詐欺にご注意!など。

・不審者情報に基づくパトロールの実施など

○活動の課題

・活動の形骸化→活動幅の拡大で形骸化を打破。新たな活動様式を模索。

・人材不足→地域のために活動するボランティアに地道に声をかけて人材発掘。メンバーを倍加して「無理せず、できる時に、できる活動をする」が可能に。

・資金不足→自治会連合会に支援を依頼したが、初めは団体の知名度がなく難色を示されたが、啓発活動や子ども・地域見守り活動を地道に継続、祭り等の地域行事に積極的に参加することで1万円の支援金がおりた。いまは2万円。

・場所の確保→拠点となる公民館だけでなく3~4カ所の場所を確保

・委員の高齢化、後継者の確保→委員にはなってくれるが役員になるまでには決意が必要。いい知恵があれば教えてほしい。

・コロナ対策→まだまだ模索中。GO TO ボウハン

○今後の活動も・・・

・地域でつながる

・子ども/地域住民を見守る

・住民に防犯・交通安全を呼びかける

<パネルディスカッション>(コーディネーター:摂南大学法学部教授 中沼丈晃氏)

(パネラー:篠支部隅田盛和氏はじめ、発表4団体)

《テーマ》「コロナ禍 「職人」技 つながり お金 人 希望」

○ 中沼氏による4地域の現場の様子を映像で紹介し、その中から中沼氏が質問

※ 残念ながら亀岡市篠町にも来られましたが、あいにくの大雨で撮影できず、篠支部の取り組みだけ映像がありませんでした。

(中沼)西の京の飯田さん。結構車が多いですね

(西の京)はい。事故が起こらないのは私たちの活動も一助になっていると思う。

(中沼)ゾーン30の効果は?

(西の京)速度を意識する車をあるが、すぐにスピードを上げる車も。だから、間隔をある程度とってプラカードをもって啓発している。

(中沼)成和の場合も車が多いですね。

(西の京)子どもさんたちだけでなくお年寄りも心配だが、気にしていても千人を超える児童さんですべてを見守れない。車がせまいところをずいぶん通らなければならない。

(中沼)人混みがおおいところを通られていたが。

(ふれパト)免許更新で朝から行列ができるという情報を聞いていたので、そこをコースに入れさせてもらった。できるだけ、実際に行う時間に合わせて下見を繰り返して、事故やトラブルが起こらないよう考える。

(中沼)映像でもあったが、急に自転車が飛び出してくる場合があるが。

(ふれパト)先頭の私が急に止まっても後続がケガしないように間隔をあけることなどを徹底している。

○テーマ①「コロナ禍」

(中沼)隅田さん。コロナ禍で青パトとほかの形式を組み合わせる形を模索されている。

(隅田)青パトと同時にゼロパトというのを取り入れてやっていた。コロナで、徒歩で回る時間と車で移動するスタイルに変えた。

(中沼)ふれパトはコロナ禍をどう乗り切ったのか?

(ふれパト)4人以上としていたルールを、5人までと制限して2~5人とした。今までは告知をしてたくさん集まってもらったが、コロナ禍では告知せずに、各地域で自由にしてもらっている。2人なら夫婦でもパトロールを兼ねたランニングなどもしている。

(中沼)質問があって、Facebookしか連絡手段がないのか?というのがあったが。

(ふれパト)地域ごとにLINEグループでつながっているので、地域ではLINEで連絡している

(中沼)成和の場合は

(成和)やらされているという感覚がなくなってきて、自分たちで考えてやれるようになっていたので、学校が再開したら、自然発生的にそれぞれの団体が割り振りの計画に従って始められた。能動的な活動になってきたことが功を奏したのではないか。そのような方がもっと増えればこのような活動は継続できるのではないか。

(中沼)GOTOボウハン・・・このコンセプトは?

(西の京)コロナで会議もATMの立ち合いもなかなか「まだ無理」と言われていた。マスクの着用や手渡しをしない配布や手袋使用(家庭用の食器洗い用の薄いもの)などを提案する中で、郵便局長や銀行支店長もOKしていただいた。今後も実施したい。春は中止したが、秋は「やめるのか?やるべきだ」の声をうけて、警察に相談した。警察も難色。車を止めて窓を開けてチラシの配布はあきらめて、パネルを掲げるやり方にした。それでも効果はあったと思う。

○テーマ②「職人技」

(中沼)テーマを職人技に移す。西の京のみなさんのアイデアはいろいろあって、報告にはなかったが、実施記録もユニーク。

(西の京)自主的にやったという日は、丸を付ける。細かいことは気にせず、自分がやったと思ったときは丸を付けて出してくれ。と言っている。

(中沼)ながらパトロールは警察が提案して数年になるが、やっている実感がないというのが難点だったが、ミシン目の入ったカードは地域ボランティアならでは。マグネットシートの「NK13・02」というのは?

(西の京)万が一落とした場合にも誰のものかわかるように。

(中沼)私たちも腕章を何度落としてしまうが、番号を付けて点検することは大事だなと。成和さんの防犯マップもどのようにして作っておられるのか?

(成和)警察の防犯情報の画面をプリントスクリーンで写し、Excelに張り付けている。不必要な分はトリミングしている。犯罪情報の詳細まではわからないが、その日の概略はこれでわかる。

(中沼)不審者情報や特殊詐欺を独自に付け加えていらっしゃるのは素晴らしいし、地域ごとの犯罪発生の集計を見える化したグラフも素晴らしい。

(成和)たまたま私が仕事でExcelを駆使していたのでその知識を活用できた。データをフィルタにかけてチェックすれば、大阪全体の中の東大阪市が何件とか成和校区でもチェックできる。

(中沼)こういうことができる人がいるのがありがたいですね。パトロールを発生状況によって変えることができるのか?という質問があったが。

(成和)月ごとの会議で発生情報を報告しているので、それを気にしてコースを考えてもらっている。いろんな方が参加されていろんな視点で見てもらっているので、団体によってこだわる点が違う。

(中沼)ホームページと自治会だよりをプロ並みに作っていらっしゃると聞いたが。

(隅田)大したことではないが、ブログのような感じのものが無料でできる。会報や自治会だよりも篠町の場合、世帯数が8千余あるが未加入のところには届かない。6千部ほど印刷。届かないところのためにWEBを活用している。難しい技術を使用せず、だれにでも引き継げるようにしている。

(中沼)ふれパトに質問が出されている。手信号の出し方。女性への声かけ。など

(ふれパト)注意喚起に様々な手信号を使っている。事前に説明をする。女性への声かけは、いきなり声をかけると怪しまれるので、「パトロールしています」ということを冒頭に言っている。

(中沼)ホームページを見ると写真がとても多い。夜の写真もある。

(ふれパト)夜も酒蔵巡りなど、楽しみも含めてやっている。参加者に面白写真を撮りたがる方もいて楽しんでいる。下見も何回かしている。

○テーマ③「つながり」

(中沼)次につながりというテーマで。

(ふれパト)私の場合、8割は地元の明石市だが、あとは神戸市など違う地域に参加している。新たな発見や出会い、つながりもできて刺激になる。

(中沼)西の京の「地縁団体会議」というのは興味深い。

(西の京)これまではそれぞれが独立して個別取り組んでいたが、10年ぐらい前からそれではよくないということで、初めは連絡会という形でそれぞれの活動を報告するだけで意見は言わないという形だったが、だんだんそれぞれがわかってきたので助け合ったりアドバイスしたり、頼ったりできるようになった。

(中沼)2か月に1回というのが絶妙なのでは。

(西の京)1か月だと準備が大変で続かない。

(中沼)全戸配布はどのようにしているのかという質問があった。

(西の京)自治会連合会の定例会に合わせて作成してそこでお渡しする。それぞれの地域をそれでお世話になっている。

(中沼)篠支部の、寸劇のシナリオは警察にチェックしてもらっているのか?毎回シナリオは違うのか?という質問が。

(隅田)警察には情報を提供してもらう程度で、こちらで作っている。最近、演出は副支部長にお願いしている。小学校は毎年やるので新しいものを作らなくてはならない。不審者対策でもいろんなパターンでやる。

(中沼)成和さんの場合、小学校からの連絡で即対応というのはどのような努力があるのか?

(成和)学校長から連絡があり、すぐに7,8人集まり、青パト車と独自のパトロール隊を出した。これを機にきちんとしたネットワークをつくるようになった。誰が昼間におられるのかを役員が把握しておられるので連絡ができたのだと思う。

(中沼)ドライブレコーダの活用は?

(成和)補助金もつくのでやってみようということになった。目立ちすぎて気にして事故起こされる心配もあるが。

(中沼)募金集めは大変だったのでは?

(成和)青パト車を購入するのに、各自治会や各種団体にもお願いして回った。スタート時に必要性など意見もあってなかなか集まらなかった。街頭も行った。ワンコイン(500円)募金は続けている。

(中沼)西ノ京の場合、最初の会費はどう受け止められていましたか?

(西の京)委嘱されるとまず会費を払わなければならない。というのは反発もあったが、意義を伝えて、自分たちの自主性でやるという意識ができたという面もある。経費の節減も含めて、できることは何でも自分たちでやるという自覚とやる気がでてきた。自分たちのお金でやるのならこうしようというアイデアもたくさん出されるようになった。

(中沼)ふれパトも会費を2000円いただいている。

(ふれパト)警察だけでなく、神戸新聞社やアシックスにも協力いただいている。地元の企業も数社協力がある。それでも2000円の年会費を払っている。それはTシャツ代とランニング保険。安いものだという感覚。

(中沼)篠支部が自治会の車を使っているのは?

(隅田)自治会が全面的に協力してもらっている。車の借用、自治会からの補助、自治会館の使用などの協力をしている。その分、自治会の活動・行事には全面的に参加している。

○テーマ④「人」

(中沼)次に「人」。篠町には「まちづくり推進委員会」という別の団体がある。

(隅田)区は篠町内に39ある。区長さんは、1年任期がほとんど。長期的なまちづくりの視点がなかなかできないので、防犯活動だけでなくまちづくり全般携わる「まちづくり推進委員会」を作った。自治会の協力組織という感じ。長期的なまちづくりの計画もできる。

(中沼)質問があるが、成和さん、人や団体のつながりをどのようにつくっていったのか。

(成和)20以上の団体がバラバラではいけないという話から、一堂に会する場を持つようになった。月に一度集まって顔を合わせることは大事だと感じるようになった。最初の核となったのは連合会長。バラバラではいけないという思いが実現につなげた。また周りにも気さくな思いやりのある方が多くてうまく言った要因かと。

(中沼)ふれパトのリーダーはどのようにつくられるのか?

(ふれパト)わりと自然にリーダーが広がっているように思う。楽しいから。

(中沼)西ノ京は人材発掘でどのような努力をされているのか?

(西の京)人を集めるとき。初めは一本釣りだったが、これではだめだった。いろんな会議の人と語って付き合っていけば、いろんな経歴や特技を持っている人がおられることに気づく。自分では自慢できないが、その人の良さを描き出す努力をしている。また、みなさんに投げかけると名乗りをあげてくれる。人との付き合いの中で常日頃から一人一人の良さを見出すことが大事かと。

(中沼)宝物を探すということは「人を探す」ということですね。

時間が来た。改めてパネラーのみなさんに拍手を。

(終了)

<講評>(摂南大学 法学部教授 中沼丈晃氏)

「コロナ禍でがんばったこと」

○大学みたいな機能団体は弱い。コロナでいろんなことができなくなる難しさ。

○毎週火曜日の朝の登校見守りジョグもできていない。それならば・・・自分たちの近くで自主的に集まってジョグパトをやろうと。

○学生さんが地元で一人からでもできるようにしないといけない。

○SNSを使って・・・学生の得手を生かしてインスタグラムも活用。グーグルマップに犯罪情報をリンクさせることも。YouTubeで「どきどきぼうはんニュース」・・・思い付きで、できる、したいことから挑戦。

○課題として・・・技能と時間が追い付かない。

○昨年はこのフォーラムで次のことを提起させていただいた・・・

・ボランティアのみなさんへ

①着実に続ける

②工夫を広げる

③地縁の組織に

④まちづくりの基礎体力をつける

⑤防犯をボランティア自身が広げてこそ伝わる。

・行政・警察のみなさんへ

①始めることよりも、続けることを熱く語ってほしい

②行政→ボランティアを気負わず民間主導に任せる余裕を

○ふれパトで見せてもらった道・・・機能団体が自然に地域へ 地縁団体は目線を外にも

○今年言いたいこと・・・

・ボランティアのみなさんへ

①地域でずっと確実にできるのは地縁の組織

②機能の組織のメンバーが地縁に入っていく

③地縁の組織は外からもメンバーとノウハウを入れる

④両者をつなぐ仕組みを作って広げる。

・行政・警察のみなさんへ

①民間主導の余裕へ

②行政・警察のCSRって何?を考える。

※CSR(Corporate Social Responsibility)「企業等の社会的責任」・・・企業等が自社の利益のみを追求するだけだはなく、すべてのステークホルダー(関係する人や団体、社会全体)を視野に、経済・環境・社会など、幅広い分野での社会全体のニーズの変化をとらえ、それをいち早く価値創造や市場創造に結び付けることによって、企業等の競争力強化や持続的発展とともに経済全体の活性化や良い社会づくりを目指す自発的なとりくみ。

以上<閉会>

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