会長挨拶

木曽布恭
(きそ のぶゆき)

 新年あけましておめでとうございます。皆さまには令和6年の穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 また、各区長さんには自治会活動、地域活動のうえにご尽力いただきありがとうございました。
 住民要望などを取りまとめ、交通安全施設、消防施設、清掃施設などの整備改善に取り組んでいただきました。まだまだ改善に至っていない案件もありますが、引き続き要望活動を行いますのでよろしくお願いします。
 本年は元日から能登半島を中心に甚大な震災、又、羽田空港での航空機事故など悲しいニュースで一年がスタートしました。被災地の一日も早い復旧・復興を願うばかりです。こうした自然災害は避けられませんが、日頃から地域における防災、減災活動の大切さをあらためて感じたところです。
 さて、昨年一年間の世相を表す漢字は「税」でした。また、流行語は「アレ」でした。どちらも共通点が無いようですが、「税」は国民の汗の結晶。「アレ」は選手たちの汗の結晶です。
 昨年12月に「京都亀岡ハーフマラソン大会」のボランティアとして、篠町自治会から3名参加させていただきました。ランナーへの給水係です。全国から約3,000名のランナーが霧の丹波路でいい汗を流されました。給水所にランナーがやって来ると「ありがとうございます」「お世話になります」という言葉がありました。こちらも「がんばってください」「ファイト」と手を振って応援しました。何か久しぶりに清々しい気持ちになりました。最近、ご近所同士でも中々あいさつができない状況で、心がほっこりした瞬間でした。
 「税」は国民の為にお金をどう使うのか、「アレ」は優勝の為に選手をどう使うのか、「言葉」はお互いに励ましたり、気持ちよく過ごす為にどう使うのか、それぞれ共通点があります。
  現代は、情報過多の時代です。与えられた情報を鵜?みにし、実際に自分の目で見て、肌で感じて、自分の言葉で伝える習慣が少なくなりました。特にコロナ禍を経験してから、文字だけの会話や文字だけの交流など非接触社会が拡大しました。リアルな言葉やリアルな交流から生まれる微妙なニュアンスを察知する感性までも失ってしまいました。
 地震などの災害情報は、テレビやSNSで直ぐに伝わります。しかし、実際の避難行動や安全確認は、自分自身の判断で行います。また、周りの人との「助け合い」や「励まし合い」もリアルな言葉で行います。
 私は、日頃からのリアルな言葉での交流が、防災・減災につながると思っています。
 非接触社会が加速する中、自治会離れということも気になります。自治会はリアルな言葉によるリアルな交流を実現できるしくみとも言えます。昔のような近所付き合いはできませんが、時代は変わっても、ご近所同士で顔を合わせ、みんなで助け合い、みんなで相談できる環境は大切です。そして、この住民同士のリアルな言葉と助け合いによる、いい汗の結晶こそが災害に強い、住み良いまちにつながります。
皆さんのご理解とご協力をお願いします。
 さて、篠町自治会では、本年もサッカー観戦を予定しています。京都サンガFCには是非「アレ」を達成してもらいたいと思います。
J1残留に「ハラハラ ドキドキ」が流行語にならないよう願っています。
 住民の皆さま、本年もよろしくお願いします。

令和5年9月号挨拶

篠町住民の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
9月に入りましたが、連日猛暑が続いています。お盆には、台風もやって来ました。最近、気候の変動を実感します。地球温暖化の時代は終わり、沸騰化の時代になってきた、四季が夏・冬の二季になってきたとも言われています。
住民の皆さま、くれぐれも体調管理にお気を付けください。
さて、9月は敬老月間です。従来は、小学校体育館にみんなが集まって敬老会を実施しました。
しかし、今の9月は、まだまだ熱中症や食中毒が心配な時期でもあります。また、篠町では75歳以上の方が3,000人を超え、一堂に集まることも難しくなりました。
こうした状況から今年度も敬老事業として、対象者に記念品(スーパーお買物券)をお届けさせていただきます。ご理解をお願いします。
現代は超高齢社会です。75歳を超えると約3割が要介護状態になり、4人に1人が認知症になると言われています。2025年には、全国で認知症の方が700万人になると推計されています。
この超高齢社会をどう乗り越えるのかは、これからの地域社会の課題でもあります。
亀岡市は今年度、国内初となるセーフコミュニティの国内認証を受けました。
その現地審査の中で「高齢者安全対策委員会」の発表がありました。
高齢者約500人を対象に運動プログラム介入グループと非介入グループに分け、4年間継続して健康状態等を検証した結果が発表されました。
その結果、運動プログラム介入グループは、非介入グループと比較して、介護認定率が3割減少、介護費用に換算すると4年間で約7,300万円の減少と推計されました。
つまり、継続した運動習慣は介護予防につながるという検証結果でした。
住民の皆さまも各自それぞれ運動されていると思います。しかし、中々継続が難しいものです。篠町では毎月1回、なんたん元気づくり体操を自治会館で実施しています。亀岡市や保健所などからも指導いただいています。体操の後は、色々おしゃべり交流もされ、参加されている方は大変お元気です。皆さま是非ご参加ください。
また、お一人暮らしの高齢者は、話し相手がいない方が多く、これが認知症につながるとも言われています。
運動習慣とコミュニケーションは、介護予防の1丁目1番地です。
人間関係が疎遠になっている現代、ご近所同士のコミュニケーションやふれあい活動、清掃などのお互いさま活動は、身近な介護予防であります。
そういう意味で自治会の活動は、子供たちと一緒に超高齢社会を乗り越えるための活動とも言えます。
また、自治会は、住民の皆さまの多様な意見を交換できる場でもあります。
今年度は、39人の区長を三部会(総務部、体育部、文化厚生部)に分け、地域コミュニティの継続などについて意見交換していただきました。
それぞれの部会から色んな良い意見が出されました。
時代と共に人々の価値観も多様化し、自治会活動のあり方も変えていく必要性があります。
各区においても、住民の多様な意見を出し合う場があるということが大切です。
そして、この自治会(区)というしくみを持続可能にしていくことが、地域コミュニティの一丁目一番地だと思っています。
 みんなで多様な意見を出し合いながら、住みよいまちをつくりましょう。

令和5年5月号挨拶

新緑映える好季節となってまいりました。篠町住民の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
新年度に入り、各区長さんも交代されました。自治会新役員も決まりました。前年度決算概要、今年度行事予定と合わせて報告します。
今年も京都サンガFCの観戦事業を実施します。既に1,200人近い申込みがありました。申込者全員観戦できますよう手配させていただきます。
みんなでスタジアムへ行きましょう。
また、自治会館建設資金を令和4年度末で約1億1千万円積立てできました。自治会員の皆さまに感謝します。現在、建替え時期等について検討していますが、現行の物価高や建設コスト高を勘案し、当分の間、現会館を大切に使用することとします。住民の皆さまからアイデアをいただきながら新会館建設構想を練りたいと考えています。ご理解お願いします。
さて、本年は、安詳小学校創立150周年にあたります。6月3日(土)に記念式典が行われます。
安詳小は市内でも大きな小学校であり、本年3月末で卒業生が12,772名となりました。安詳小卒業生が3世代、4世代続いた住民の皆さまも数多くおられると思います。私もその一人です。小学生当時、校門をくぐると右手に二宮尊徳像があり、その奥には池がありました。正面には木造の大きな講堂があり、朝礼や体育の授業をしました。
1964年東京オリンピックの時、講堂にみんな集まってテレビ観戦しました。また、安詳小で町民運動会が行われ、家族でお弁当をひろげ楽しみました。運動会では、スッポン足袋を履いて走りました。速く走れるようにと、運動会の朝に生卵を飲まされました。
夏になると体育館で町民向けの映画上映もありました。当時を思い出すと、何か心がポカポカします。
母校は心の「ふる里」ともいえます。
あれから時が流れ、二宮尊徳像も無くなりました。  歩きながら本を読んだり、スマホを見ることが危険な時代になりました。
今、篠町の子供たちは、三つの小学校に分かれて通っています。学校のつながりは、地域のつながりともいえます。こども達の学ぶ場が広がることで、地域交流の場も広がっていきました。
150年続いた地域のつながりを大切にしながらも、また、新しい地域のつながりも大切に育てていきたいと思っています。
そして、この篠町が住民の皆さまにとって、心がポカポカするような「ふる里」になればと思っています。
本年度もどうぞよろしくお願いします。

令和5年1月号挨拶

 新年あけましておめでとうございます。令和5年の穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 今年の冬は、寒さと共に新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行も懸念されます。
住民の皆様、くれぐれも健康にはご留意ください。
さて、昨年一年間の世相を表す漢字は「戦」でした。ロシア・ウクライナによる戦争の暗いニュースが続きました。しかし一方で、サッカーワールドカップなどスポーツでの戦いは、我々に元気を与えてくれました。日本代表選手から「新しい景色」を見たいという言葉をよく耳にしました。ベスト8の壁を乗り越えるにはもう一歩でしたが、きっと次の世代に繋がったと思います。「強くならないと見えない景色があると思うので、立てるように頑張ります」これは、将棋の藤井聡太五冠王が高校生の頃に話した言葉です。「新しい景色」は、自分の壁を乗り越え、新しいステージに立った時初めて見える景色だと思います。
 最近、将棋の世界ではAI(人工知能)の発達により、それまで「非常識」と言われた指し手が「ありうる」ことになり、次にそれが「常識」となって将棋が進化しているそうです。また、サッカーの戦術分析にもAIが活用されているようです。高い壁を乗り越えるためのキーワードは、AIの活用かもしれません。
 ところで、現代社会は少子高齢化、人口減少、労働力不足、環境汚染、インフラ老朽化、空き家、空き地、放棄農地などの様々な問題があります。また、地域では自治会離れが起こり、いわゆる防災、防犯、見守り活動などに課題が残ります。我々はこうした課題を乗り越え、地域の「新しい景色」を見ることができるのでしょうか。住みよいまち、子育てしやすいまち、賑わいのあるまち、安心・安全のまち。魅力あるまちづくりのために乗り越えるべき壁は相当高いです。一概に将棋やサッカーと比較できませんが、私は、国や自治体の政策にもっとAIが活用できないかと思っています。
 さて、今年は選挙の年です。AIが立候補すれば、一票入れたいところですが、ここは人間の実力に期待しましょう。今年は、全国で統一地方選挙が実施されます。亀岡市でも1月に市議会議員選挙、4月に府議会議員選挙、そして秋に市長選挙が予定されています。選挙は民主主義の根幹であり、住民が自分の考えを表明できるチャンスでもあります。しかし、残念ながら篠町は、亀岡市内で最も投票率が低い地域の一つです。篠町のまちづくりのためにも、みなさんの権利を行使しましょう。
 今年は卯年、これまでの努力が花開き、実り始めるといった縁起のいい年のようです。みんなで協力して、篠町を「元気の出るまち」にしましょう。
 昨年、京都サンガFCは何とかJ1に踏みとどまってくれました。今年はもっと上位の成績を残せるようみんなで応援しましょう。そして、阪神タイガースも「アレ」を目指して頑張って欲しいです。
 今年は、住民みんなで協力して「新しい景色」を見つけましょう。

令和4年5月号挨拶

 新緑映える好季節となってまいりました。篠町住民の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。本年4月から2期目(2年間)の自治会長を務めさせていただきます。よろしくお願いします。
 さて、最近のマスコミ報道は、コロナ一色からいつの間にかロシア・ウクライナ関連に変わりました。
 罪のない一般市民や子供たちが犠牲になった報道には心を痛めます。あらためて平和な国で暮せることに感謝しつつ、この平穏な日常を未来の子供たちに引き継ぐことが、我々大人の「責任」でもあると感じました。また、仮に日本が外国から攻められたとき、我々はウクライナ国民のように自国を守る「覚悟」を持って立ち向かえるのかどうか、一抹の不安も感じました。どんな国であれ、どんな地域であれ、どんな理由であれ、子供たちが嘆き悲しみ、未来に不安を持つような「争い」は間違っています。その「争い」が正しいと主張するならば、それは大人のエゴであります。子供たちを大人のエゴから守ることが、平和な国づくり、安心・安全な地域づくりの第一歩です。
 我々大人は、子供たちに笑顔と明るい未来を届ける「責任」と「覚悟」を持つ必要があると思います。
 今年は、篠町で発生した集団登校時の悲惨な交通事故から10年目となります。篠町自治会では、二度とこの様な事故を起こさないよう、4月23日を「KAMEOKA交通事故ゼロを目指す日」と定め、関係機関と連携しながら交通安全運動に取り組んできました。住民ボランティアの方々には、毎日、通学路の見守りや声掛け運動を行っていただいております。しかし、一番の事故防止策は、我々大人の運転マナー向上に尽きます。今後も住民の皆さんと力を合わせ「セーフコミュニティ」を推進してまいります。そして、この「篠町」がもっと明るい話題で全国的に有名になる日が来ることを待ち望んでおります。
 さて、今年度の自治会新役員が決まりました。年間行事予定や前年度決算の概要を報告します。
 今年もコロナ禍を考慮しながら行事を行います。
 スポーツ事業として、Jリーグサッカー観戦を計画していますので、みんなでスタジアムへ行きましょう。
 今年度もどうぞよろしくお願いします。

令和4年1月号挨拶

新年あけましておめでとうございます。令和4年の穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年もコロナ禍に明け暮れた一年でした。しかし、オリンピックをはじめスポーツの明るい話題が我々に元気と勇気を与えてくれた一年でもありました。
サッカーJリーグの京都サンガFCが念願のJ1昇格を果たしました。プロ野球日本一に輝いたヤクルトスワローズの高橋奎二投手は、地元篠少年野球クラブの出身で、彼の活躍が地域の人々に感動を与えてくれました。阪神タイガースは惜しくも優勝を逃しましたが一年間野球を楽しませてくれました。そして、メジャーリーグの大谷翔平選手、二刀流の活躍は見事でした。それぞれ、本年も一層の活躍を期待しています。
さて、各区長さんには、自治会・地域活動のうえでご協力いただきありがとうございました。
コロナ禍で、自治会行事も満足にできませんでしたが、区長を中心に住民の要望などを取りまとめ、交通安全施設、消防施設、防犯施設、清掃施設等の整備改善に取り組んでいただきました。
現在、篠町には39人の区長がおられます。大半がお仕事を持ちながら、又、子育てや家事をされながら区長の大役を務めていただきました。
まさに二刀流の活躍でした。
「人生100年時代」「生涯現役」といわれ、年齢にかかわらずお仕事や趣味活動などを続けられる方が増えています。そこへ地域役員などが当たると一層お忙しくなります。自治会加入を敬遠される理由の一つでもあります。時代が変わり、かつては「楽しみ」であった地域行事も「負担」に変わってしまいました。
しかし、自治会活動は必要です。
今、デジタル社会となり、利便性と快適性ばかり追求する世の中になりました。SNSが発達する一方で「顔の見えない」情報が拡散し、いろんな事件や問題にもつながっています。
篠町自治会では、ご近所の住人や通学の子供達に「おはよう」「こんにちは」「おかえり」など自然に声掛けできる「顔の見える」まちづくりを目指しています。「顔の見える」まちは、防犯・防災につながり、人や環境にやさしい安全・安心なまちです。「顔の見えない」時代こそ「顔の見える」コミュニティーが必要です。
住民の皆様のご理解とご協力をお願いします。
寅年は、春が来て、根や茎が生じて成長する時期、草木が伸び始める年だと言われています。
コロナ禍が終息し、希望ある一年が始まることを願っています。本年もどうぞよろしくお願いします。

令和3年9月号挨拶

 新緑映える好季節となってまいりました。篠町住民の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
 昨年から新型コロナウィルス感染拡大の影響で、私たちの気持ちもどんより曇った日々が続いています。一日も早くコロナ禍が終息し、五月晴れの気分が戻ってくることを願っております。
 ところで、東京オリンピックはどうなるのでしょうか。実は、私は開会式チケットが当たっていまして、大変楽しみにしておりましたが、先が見えないため、キャンセルしてしまいました。こんな事になるとは、誰もが想像していなかったと思います。
 今回のコロナ禍は、大規模災害と同じだと言われています。イベントのチケットやホテルは、キャンセルできますが、大規模災害は自らの都合でキャンセルできません。
 平時からの防災・予防意識が大切です。また、非常時には、後手後手でなく、行政などの迅速な対応を望みます。我々は先の見える我慢ならできます。
 そして、コロナ禍をはじめ過去の大規模災害から学んだ経験や教訓は、無駄にしてはいけません。
 本年は、昭和26年に柏原集落を襲った平和池水害から70年目に当たります。篠町で75歳以上の方は約2,400人(12%)おられます。しかし、水害当時の記憶や経験を語り継ぐ方は、もっともっと少なくなります。過去の災害から学び、そして、その教訓を未来に語り継ぐことは、我々の役割です。
 このことが、SDGs17ゴールの一つ、安全・安心で「住み続けられるまちづくり」につながります。
 さて、令和3年度の自治会新体制も整い、活動がスタートしました。今年度もコロナ禍の中、大規模なイベントは控えますが、区長や住民の皆さまと共に防災の大切さを学ぶウォーキング(防災ウォーク)を行う予定です。皆さまのご支援・ご協力のもと、引き続き「セーフコミュニティ」を推進してまいります。
 新役員の紹介、今年度行事予定、前年度決算の概要を報告します。詳細は、自治会館前の掲示板にも掲載しておりますので、お気軽にお立ち寄りいただき、住民の皆さまの声をお聞かせください。
 どうぞよろしくお願いします。

令和3年1月号会長挨拶

 新年あけましておめでとうございます。令和3年の穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は、コロナ禍に明け暮れた一年でした。今年こそ、禍(わざわい)転じて福となす一年でありますよう願っております。
 昨年の世相を表す漢字は「密」でした。密閉、密集、密接を避け、リモートワークやリモート授業、リモート飲み会など「新しいスタイル」の生活様式が提唱されました。住民同士の親密なふれあいを大切にする自治会事業においては、密を避けることが難しく、多くの行事は中止や縮小を余儀なくされました。「予定どおり、今までどおり繰り返す」ことの難しさを感じました。区長さんには、各区での行事運営が大変だった中で、住民要望(道路施設、防犯施設、消防施設、公園施設など)を取りまとめ、その整備改善に向け取り組みいただきありがとうございました。
 また、区長のみでコロナ感染を想定した避難所開設訓練を実施しました。訓練での経験を各区の防災対策に生かしていただければと思います。
 高齢者の集いにおいては、室内で多数集合する活動は自粛いただきましたが、屋外では、感染対策を取りながらグランドゴルフ大会やふれあい農園活動、ふるさとウォーキングなど楽しい交流事業を実施していただきました。
 敬老会は、残念ながら中止しました。後日、高齢者約300人にアンケートしましたところ、今までどおりの敬老会を望む方が約12%、各区で小規模の敬老会を望む方が約15%、昨年のように全員に記念品(買物券)を望む方が約60%でした。高齢者の方々も「新しいスタイル」での敬老事業を望まれていることが分かりました。
 令和2年度から篠町の子供たちが通う各小中学校では、校区変更による新たな通学がスタートしました。しかし、その矢先でのコロナ禍。入学式も縮小され、ピカピカの1年生たちは少し寂しい思いをしました。大変な状況下でしたが、各学校では、感染対策を取りながら学習時間を確保され、各学年ごとの運動会や授業参観、サンガスタジアムを活用したイベントなど「新しいスタイル」での学習活動・行事を実施されました。コロナ禍においても、子供たちに元気と希望を与え、そして、思い出づくりに尽力いただきました学校関係者に感謝します。
 さて、篠町の人口は10年前と比べ500人以上増加しています。一方、世帯数も10年前と比べ900世帯以上増加しています。
人口の増加よりも世帯の増加が多いということは、一人暮らし世帯の増加、核家族化の進行、同一世帯内での世帯分離が進んでいることを表しています。
このことは、家庭内や地域内での世代交代が難しく、農業をはじめ家業の後継者が不足していることも表しています。
 また、自治会などの地域コミュニティーにおいても世代交代が難しくなっています。これまで、自治会活動を通じて地域活性化のために活躍いただいた方々も高齢になり、次の世代にバトンタッチしようとした時、バトンを受け取ってくれる人がいないという話をよく耳にします。「予定どおり、今までどおり繰り返す」ことが難しい時代になりました。
 これからの自治会のあり方について39人の区長にアンケートしました。結果を一言でいえば、住民や役員の負担を少なく、必要最小限の事業、柔軟に住民の声を聴き、世代間で交流できるコミュニティーでした。「予定どおり、今までどおり繰り返す」ことを大切にしながらも「新しいスタイル」で、持続可能な地域コミュニティーを目指します。
 時代が変わっても、変わらないものもあります。
 誰でも年齢や性別に関係なく、いつか人の為に役立つ活動をしたいとか、地域の役に立ちたいという想いは持っておられます。自分の生活スタイルを大切にしながらも、ひとやまちとつながる空間「場」を探しておられます。
 現在の篠町自治会館は、築後50年以上経過しています。今は、公民館や避難場所に位置づけられていますが、老朽化し耐震性も不安です。平成28年から住民の皆様のご協力を得て建設資金を積み立てています。一定、資金の目途が立てば、出来るだけ早く建替えたいと思います。そして、ひとやまちがつながる新しい空間「場」にしたいと考えています。
令和3年は、丑年。ゆっくり、でも、しっかり前進してまいります。本年もどうぞよろしくお願いします。

令和2年9月号会長挨拶

ソーシャルディスタンス 

 残暑が厳しい折ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今年は、新型コロナウイルス感染症に加え猛暑による熱中症など、我々の日常生活リズムがすっかり崩れてしまいました。
毎日のようにソーシャルディスタンスという言葉を耳にします。感染予防するための社会的距離、人的接触距離のことです。
くしゃみや咳の飛沫距離は2~3mといわれています。
人口19,000人を超える篠町では、町民が一堂に集合するイベントの開催は、3密を避け、ソーシャルディスタンスを確保するうえでは、大変厳しい状況にあります。
敬老会は、毎年、小学校体育館に約400人、町民運動会では、延べ4,000人の住民が中学校グラウンドに集合します。
今年は残念ながら、両事業とも感染予防のため中止させていただきました。また、各区の夏祭り等も自粛要請させていただきました。その他様々な事業が中止になったのは大変残念なことです。
しかし、この新型コロナ感染拡大の経験を通して、今後の自治会事業のあり方や地域コミュニティーのあり方について、今一度原点に戻って、住民の皆さんと一緒に考える良い機会ではないかと思います。
今年の区長さんには、自治会事業のあり方等についてのアンケートを実施しました。結果は後日、報告させていただきます。
篠町自治会は、亀岡市の中で最も世帯数が多く、最も町域が広い自治会です。自治会を二つに分けてはという意見もありますが、現実的には中々難しい課題もあり、時間をかけて議論する必要があります。
ところで、外国のある田舎の村長さんは、地域とは「おーい」と叫んで人に声が届く範囲であると答えたそうです。田んぼで「うぉー」と叫んで、声の届く範囲が村ということです。つまり、声が届き、人間の助け合いができる範囲が村であって、声の届く範囲こそ人々の心が安らぎ、人と人との営みが充実する範囲であるということです。
現代は、遠く離れた人とスマホで会話したり情報を交換したり、乗り物で遠くまで出かけたり、大変便利になりました。反面、隣に暮らす人が誰か判らないという時代です。そして、この便利さが時としてコロナの感染スピードを加速させたり、感染者に対する誹謗中傷を拡散させたりしています。
時代とともに人と人との距離感も変わってきました。地域という概念も変わってきました。
篠町では、宅地開発が進む中で多くの住民の方が暮らしておられます。それぞれ生活スタイルや生活リズムも異なっておられます。
しかし、どんなに大きな自治会でも、お互いに生の声が届く距離、手を差し伸べて助け合える距離での人とのつながりをもう一度、見直してみる必要があります。
自治会では、一人暮らし高齢者などの見守り活動(あいあいネットワーク)を実施しています。今はコロナの関係もありますが、多くの住民の方は、お互いにプライバシーを尊重し、干渉し過ぎず、疎遠になり過ぎず、さりげない見守りや防犯・防災活動、必要最小限の親睦・交流活動などを望んでおられます。
住民同士の適度な距離感を保ちつつ連帯感を育む。これからの地域住民のソーシャルディスタンスだと考えます。
最近、篠町では、野生動物(イノシシ、シカ、サル等)による農作物への被害が多発しています。柵の設置など関係者による様々な対策が講じられていますが、人への被害が心配です。以前は、人によって管理されている雑木林や茅場といった場所が野生動物のすみかと人の生活の場との緩衝帯の役割を果たしていました。自然環境の中で適度な距離感で生活していました。時代とともに野生動物と人との距離感も変わってきました。
地域住民のソーシャルディスタンス。住民のみなさんと一緒に考えてみたいと思います。ぜひ、自治会までご意見をお寄せください。